松誕☆文章関連の投稿作品をのっけていきます!メールフォームに投稿してください~☆お待ちしております☆
お題:【ソファ】で書き始めたら、いつのまにか二次創作
の【いねむり】もかんでました。
はっと気がつくと、ローテーブルの上には、意識を失う前にやっていた資料が
そのままだった。
とっさに時計を見上げようと首をきょろきょろさせると、右を向いたとき、ぴ
き、と痛みが走った。痛みに首を抑えつつも時計を確認すると、日付も変わって
深夜の3時を過ぎている。
僕は作業途中なのにソファで眠りこけてしまったようで、部屋の中にはもう誰
もいなかった。
唯一、定位置の竜崎を除いては。
「すみません僕・・・」
寝てしまっていたことを謝ろうと、立ち上がりかけて、ずるりと肩から何かが
落ちた。
え?と思いながら視線を向けると、僕の右腕とソファと床の間に、ベージュの
毛布があった。
僕が寝てたから誰かがかけてくれたんだ、ということはわかったけど、部屋の
中には僕と竜崎しかいない。
そうだ、そういえば相沢さんは早めに帰宅したし、今日は珍しく次長が月くん
と一緒に自宅に帰っていった。確か僕は模木さんにも、お疲れ様でしたって言っ
たはずだった。ワタリは昨日から姿を見ていないし、と消去法で考えると、残る
のは竜崎しかいない、
けど。
竜崎じゃない、気がする。
情けないことに僕がこうして居眠りをしてしまうのは今日が初めてじゃなかっ
た。
こんなふうに僕が眠りこけていても、今まで竜崎が毛布をかけてくれたことな
んて一度もなかったし、むしろ寒くて目が覚めてそのたび平謝りするのがいつも
のパターンだった。
竜崎じゃない気がする、けど。
でも、まさかと思いつつ、もしかしたら、とも思う。
そうだったら嬉しい。
単純に嬉しい。
竜崎が僕を気づかってくれるなんて。
「あの、竜崎」
僕の声に竜崎が首だけで振り返る。
いつもと同じかわったところなんてないその表情に、やっぱり違うのかな、と
いう気持ちが大きくなる。
すみません寝てしまって、と続けてから、言おうかどうか迷ったけど、一か八
かの気持ちで、毛布、とだけ口にしてみた。
竜崎はかわらず僕の方を見ている。
だけどどんなにじっと見ても、僕には無表情な時の竜崎の感情なんて、さっぱ
り読めなかった。
でももう言いかけてしまったし、きっとこれは竜崎がかけてくれたんだ、と思
いこんで勇気を振り絞ることにした。
「ありがとうございました」
竜崎は、ぱちり、と瞬きを1回だけして、お疲れのようだったので、と言って
、ちょっと考えるように黙ってから、また口を開いた。
「今日は特別です」
「きょうは?どうしてですか?」
意味がわからなくて僕はきょとんとする。その僕を見て、竜崎の目がまるく見
開かれて、すぐにすっと細くなった。
「理由が必要ですか」
「はい」
どう答えようかとちょっとだけ思ったけど、思いながらもう口が返事をしてし
まっていた。
「誕生日でしょう、松田さん」
「え?」
言われて思わずカレンダーを探したけれど、この部屋にそんなものはなかった
ことを思い出した。
かわりというか、視界に入った時計を見て、そういえば日付がとっくに変わっ
ていたことを思い出す。
やれやれ、とでもいうような顔で竜崎が椅子から降りて、僕の横をすり抜けて
いく。
「どうしたんですか竜崎」
僕の声に答えることもなく、さっきまで僕が眠りこけていたソファにいつもの
あの恰好ですわると、毛布を自分の体にくるんでから、その端っこを持ったまま
右手だけを広げてこっちを見ている。
その姿は、どう見ても僕に隣に座って一緒にくるまれと言っているようにしか
見えなくて、いいのかな、と思いながら僕は竜崎の隣に座った。
竜崎が僕の肩に腕をまわして毛布をかけてくれることに、びっくりしながら感
動していたら、
「松田さん自分で持ってください」
いつもの口調で言われてしまったので、あわてて毛布の端をつかむとぐいっと
体に巻きつける。
「寒いじゃないですか」
勢いよく巻きつけすぎて、竜崎の左肩が毛布からはみ出してしまっていた。毛
布はかなり大きめだったようだけど、さすがに大の男が二人くるまるには少し足
りないようだった。
「す、すみません!」
思わず謝ると、竜崎は、いいですよ、と言いながら左手で毛布の端を持ってそ
れを巻きながら、僕の方へぴったりくっつくみたいにして体を寄せてきた。
それだけでも僕がものすごく驚いているのを知っているのか知らないのか、こ
つん、と頭を僕の肩にもたれさせてくる。
「お誕生日おめでとうございます」
の【いねむり】もかんでました。
はっと気がつくと、ローテーブルの上には、意識を失う前にやっていた資料が
そのままだった。
とっさに時計を見上げようと首をきょろきょろさせると、右を向いたとき、ぴ
き、と痛みが走った。痛みに首を抑えつつも時計を確認すると、日付も変わって
深夜の3時を過ぎている。
僕は作業途中なのにソファで眠りこけてしまったようで、部屋の中にはもう誰
もいなかった。
唯一、定位置の竜崎を除いては。
「すみません僕・・・」
寝てしまっていたことを謝ろうと、立ち上がりかけて、ずるりと肩から何かが
落ちた。
え?と思いながら視線を向けると、僕の右腕とソファと床の間に、ベージュの
毛布があった。
僕が寝てたから誰かがかけてくれたんだ、ということはわかったけど、部屋の
中には僕と竜崎しかいない。
そうだ、そういえば相沢さんは早めに帰宅したし、今日は珍しく次長が月くん
と一緒に自宅に帰っていった。確か僕は模木さんにも、お疲れ様でしたって言っ
たはずだった。ワタリは昨日から姿を見ていないし、と消去法で考えると、残る
のは竜崎しかいない、
けど。
竜崎じゃない、気がする。
情けないことに僕がこうして居眠りをしてしまうのは今日が初めてじゃなかっ
た。
こんなふうに僕が眠りこけていても、今まで竜崎が毛布をかけてくれたことな
んて一度もなかったし、むしろ寒くて目が覚めてそのたび平謝りするのがいつも
のパターンだった。
竜崎じゃない気がする、けど。
でも、まさかと思いつつ、もしかしたら、とも思う。
そうだったら嬉しい。
単純に嬉しい。
竜崎が僕を気づかってくれるなんて。
「あの、竜崎」
僕の声に竜崎が首だけで振り返る。
いつもと同じかわったところなんてないその表情に、やっぱり違うのかな、と
いう気持ちが大きくなる。
すみません寝てしまって、と続けてから、言おうかどうか迷ったけど、一か八
かの気持ちで、毛布、とだけ口にしてみた。
竜崎はかわらず僕の方を見ている。
だけどどんなにじっと見ても、僕には無表情な時の竜崎の感情なんて、さっぱ
り読めなかった。
でももう言いかけてしまったし、きっとこれは竜崎がかけてくれたんだ、と思
いこんで勇気を振り絞ることにした。
「ありがとうございました」
竜崎は、ぱちり、と瞬きを1回だけして、お疲れのようだったので、と言って
、ちょっと考えるように黙ってから、また口を開いた。
「今日は特別です」
「きょうは?どうしてですか?」
意味がわからなくて僕はきょとんとする。その僕を見て、竜崎の目がまるく見
開かれて、すぐにすっと細くなった。
「理由が必要ですか」
「はい」
どう答えようかとちょっとだけ思ったけど、思いながらもう口が返事をしてし
まっていた。
「誕生日でしょう、松田さん」
「え?」
言われて思わずカレンダーを探したけれど、この部屋にそんなものはなかった
ことを思い出した。
かわりというか、視界に入った時計を見て、そういえば日付がとっくに変わっ
ていたことを思い出す。
やれやれ、とでもいうような顔で竜崎が椅子から降りて、僕の横をすり抜けて
いく。
「どうしたんですか竜崎」
僕の声に答えることもなく、さっきまで僕が眠りこけていたソファにいつもの
あの恰好ですわると、毛布を自分の体にくるんでから、その端っこを持ったまま
右手だけを広げてこっちを見ている。
その姿は、どう見ても僕に隣に座って一緒にくるまれと言っているようにしか
見えなくて、いいのかな、と思いながら僕は竜崎の隣に座った。
竜崎が僕の肩に腕をまわして毛布をかけてくれることに、びっくりしながら感
動していたら、
「松田さん自分で持ってください」
いつもの口調で言われてしまったので、あわてて毛布の端をつかむとぐいっと
体に巻きつける。
「寒いじゃないですか」
勢いよく巻きつけすぎて、竜崎の左肩が毛布からはみ出してしまっていた。毛
布はかなり大きめだったようだけど、さすがに大の男が二人くるまるには少し足
りないようだった。
「す、すみません!」
思わず謝ると、竜崎は、いいですよ、と言いながら左手で毛布の端を持ってそ
れを巻きながら、僕の方へぴったりくっつくみたいにして体を寄せてきた。
それだけでも僕がものすごく驚いているのを知っているのか知らないのか、こ
つん、と頭を僕の肩にもたれさせてくる。
「お誕生日おめでとうございます」
PR
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
最新記事
(12/16)
(12/15)
(12/15)
(12/15)
(12/14)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
さかき
性別:
非公開
ブログ内検索
フリーエリア